2007/06/27

誠実に

 「あの…、抗がん剤はしたくないんです。で、管が抜けたら家に帰りたいん…ですけど…。」
 私の前には、少し戸惑った表情の主治医が座っています。
 「管はいつ抜けるか、わからないよ。」
 「はい。でも、一度家に帰りたいんです。」
 ベットの上に正座して、主治医の目を見て言いました。全身が熱くなるのを感じました。

 先週末、主治医から抗がん剤(9回目)の点滴を始めると言われたのです。
 がん細胞が弱っている間に、やっつけようと考えたのでしょう。
 主治医の言葉を聞いた瞬間「いやだぁ」と思いました。
 でも、その晩ナースから
「点滴が始まりますね。先生から(薬の)オーダーが入ってますよ。」
と言われ、「あ〜、仕方ないかなあ。」と私の中に諦めムードが漂い始めました。

 消灯した暗い病室で私は考えます。

抗がん剤を体に入れると悪くない細胞がまた死んじゃうよ…、職業柄主治医の気持ちもわかるけど…、また抗がん剤打てば1か月は帰れないし…、相方は何て言うだろう…、胸に管を入れたまま抗がん剤打つなんてきついよなあ…、もう1回抗がん剤打ってから家でゆっくりするか…、今さら抗がん剤しないとか言ったら迷惑かけるよね…、仕方ないからって抗がん剤を安易に打っていいの?…、う〜ん、う〜ん…(-_-)

 脳ミソがぐにゃぐにゃになる(イメージです、念のため…)ほど考えました。

そうだ、身体に聴いてみよう!

 ふっと、そう思いました。

 答は‘NO(ノー)’

とっても簡単でした(^-^)

 これって、アサーティブの4つの柱にある「誠実」なんですね(詳しくはアサーティブジャパンのホームページをご覧ください)。

 さあ、そうと決まれば後は伝え方です。
 相手役をたてた模擬練習ができないので、頭の中で想像しながら繰り返し練習。
 朝になって本番!
 冒頭のやり取りになったのです。
 私の伝え方は100点満点で60点くらいのできでしたが、抗がん剤の点滴はしないことになりました。
 ホッとしたのと同時に、主治医が私の話に耳を傾けてくれたことがとてもうれしかったです。

 自分にも相手にも誠実に…。
 言葉の意味を実感した出来事でした。

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